過去検証の大切さについては、FXに関する情報や教材など、あらゆるところでその重要性が説かれています。
「過去検証の方法」にも様々なものがあり、有料のツールを使って行うもの、MT4のストラテジーテスターという機能を使った過去検証なんてのもあります。
今回は、有料のツールやMT4でできる無料の機能、どの手段を使っても、これを抑えておけば無駄のない効率の良い過去検証ができる、過去検証を行うための抑えるべきポイントを幾つか紹介していきたいと思います。
なぜ過去検証をやった方が良いのか?
まず何故、多くの人が過去検証を勧めているのでしょう?
スポーツなどでもそうですが、日々のトレーニングで筋肉を鍛え技術を磨き、試合前には、対戦相手の過去のデーターや試合内容から相手のクセやパターンなどを研究し、勝つために検証をして戦略を立てます。
それと同じでFXでも『トレードで安定して日々利益を上げれるようにする為』に、過去検証を繰り返し行い、パターンや相場のクセを覚え、売買ルールの適応性を検証していきます。
これがトレードのスキルアップに繋がっていくため、過去検証というのはFXにとってとても大切なトレーニングの1つになります。
種目別の過去検証
過去検証には過去の値動きが分かる過去チャートを使って検証していくのですが、ただボーっと過去チャートを見ているだけではなんの意味もありません。
いくつかの目的に分けて、検証していくのが効果的です。
値動きのクセ(チャートパターンやローソク足の形)を覚える為の過去検証
為替相場の値動きにはクセや特徴というものがあります。
そういった相場のクセやパターンを掴む為の過去検証というものがあります。
例を挙げますと、ダブルトップやヘッドアンドショルダー、ペナントなどです。
(相場にはこういったパターンやくせ、特徴に名称を付けてわかりやすく分類しています。)
このようなパターンを過去のチャートを見ながら
『このパターンがでたらこう動く』
『この型になったら、こうなる可能性が高い』
などパターン、癖を分析し見ていくことで、
値動きを把握する『相場分析力』というものが身についてきます。
売買ルールを検証するための過去検証
勉強して学んだ売買ルール(トレードロジック)を実践する際に、過去のチャートを使ってその売買ルールに優位性があるかを充分検証する必要があります。
過去チャートを使い、ひたすらサインがでたら売買ルールを試します。
その売買ルールで過去の値動きで利益を上げることができているのか、優位性を確認できることはもちろんですが、繰り返すうちに、
『同じ売買ルールでも長期足で●●の相場状況の際はエントリーを控えるほうが良い』
『5分足でトレンドが発生したときは利益になる可能性が高い』
などプラスアルファで相場状況に応じた『裁量判断力』というのも身につけることができます。
テクニカル指標(インジケーター)を試す過去検証
ボリンジャーバンドや一目均衡表、移動平均線など色々ありますが、なんでもかんでも表示させれば良いといったものではありません。
現在の売買ルールにプラスして、取り入れようとしているインジケーターがあるとします。
仮にトレンドを把握する為にチョイスしたのであれば、
『そのインジケーターがトレンド相場でどういったシグナルをだしているのか』
『トレンド相場以外ではどういったシグナルを出しているのか』
などを実践で取り入れる前に過去チャートで検証をしてみることによって、インジケーターによるダマシなどを事前に把握することができます。
このようにインジケーターを試す過去チャート検証というのもあります。
トレンドライン、水平線の過去検証
トレンドラインや、レジスタンスライン・サポートラインなどの水平線の検証です。
ラインを過去のチャートに引いた時、
『引いたラインがその先の値動きにどのように影響しているのか?』
『引いたラインに沿って値動きが反発しているのか?』
『引いたラインを抜けると(ブレイクすると)その後どうなるのか?』
などラインの過去検証というのがあります。
この過去検証を繰り返す事により、意識されやすいラインをひくことのできる『ライン力』が身についてきます。
自動売買ツール、売買サインツールの過去検証
自動売買(EA)や売買サインが表示されるサインツールも過去のチャートで過去検証ができます。
基本的に自動売買やサインツールは、あらかじめ設定したプログラミングに沿って、自動売買を繰り返したりサインを表示させたりしていますので、自動売買ツールやサイン表示ツールにもマッチする相場とマッチしない相場というものが存在します。
ツールの中には開発型というものもありますが、現状、開発型は敷居が高く玄人向けです。
手軽に初心者でも簡単に使えるツールとなると選択型が大半になりますので、相場の状況に併せて適切なツールを選択する力が身に付くと、損益の安定にも繋がります。
利益を上げやすい状況はどういう時か、損失を出しやすい状況はどういう時かを過去のチャートで検証をし『ツールの選択力』を磨いていく売買ツールの過去検証というのも非常に大切です。
最後に
このように過去検証は目的別に分けてやっていくことにより、より明確に、実践に役立つ手掛かりを見つけていけることができる作業になります。
- ラインの過去検証を繰り返す事で意識されやすい(トレードに役立つ)ラインをひくことのできる『ライン力』が身についてきます。
- 相場のクセやパターンなどを意識しながら検証していくと『相場分析力』が身についてきます。
- 売買ルールを検証することにより『裁量判断力』が身に付きます。
- 自動売買ツールを検証することにより『状況に応じたツール選択力』が身に付きます。
種目別にして目的を明確にし、繰り返し検証することで様々な『~力』が身についてきます。
ただ、時間がかかるものですので、一回に全てを詰め込んでしまうような事はせずに週末や、空いた時間を使って、種目別にじっくりゆっくりやっていくのがおすすめです。
長く続けていく、継続がなにより大切です。
焦らずに少しずつ『~力』を身につけるためにやっていきましょう。