以前にブログで『種目別の過去検証』を紹介させていただきました。
今回はそれを実践するにあたり、無料で初心者の方でも取り組みやすい、MT4のストラテジーテスタという機能を使った、過去検証のやり方、設定方法などを紹介させていただきます。
ストラテジーテスタのメリット、デメリット
まず、最初にストラテジーテスタのメリット、デメリットを紹介いたします。
メリット:
- ①無料で使える
- ②購入したMT4で使用できるオリジナルのインジケーターを使った過去検証ができる(有料の過去検証ツールでは使えないものもあります)
- ③購入したMT4で使用できるオリジナルのサインツールが使える
- ④簡単に過去の値動きを再現でき、すぐに過去検証として利用できる
- ⑤チャート設定や、インジケーターの設置など通常のMT4の操作そのままで使えるので、普段と変わらないチャートの状態で過去検証ができる
- ⑥時間を早く進めたい時の早送りのスピードを調整でき、止めたいポイントで一時停止ができる
デメリット:
- ①過去検証の際一つの時間軸しか使えないので、例えば5分足で過去検証した場合、1時間足や4時間足でどういう状態か、どういうポイントに達しているかなど長期足と短期足を組み合わせた確認ができない。
- ②確認したいポイントが過ぎてしまった場合、巻き戻しができない。
ストラテジーテスタの使い方
次にMT4のストラテジーテスタ機能の使い方を、ご説明していきたいと思います。
まずはMT4を立ち上げ、画像の①から手順を追っていきます。
① | ツールバー「表示」 | ツールバーの表示をクリックしストラテジーテスタを選択します。すると画面下にテスターが表示されます。 |
② | エキスパートアドバイザ | 過去検証したいエキスパートアドバイザ(EA)を選択します。EAの過去検証でない場合は、初期設定のままで問題ありません。 |
③ | 通貨ペア | 検証したい通貨ペアを選択します。 |
④ | モデル | モデルは3種類あります。全ティックにすると一番正確な過去検証ができます。 |
⑤ | 期間を指定 | 過去検証したい期間を設定できます。 |
⑥ | ビジュアルモード | ビジュアルモードにチェックを入れます。 |
⑦ | スピード調整 | 値動きのスピードを調節できます。右に行くほど速く、左に行くほど遅くなります。 |
⑧ | || | 一時停止スイッチ |
⑨ | 期間 | 検証したい時間軸を選択 |
⑩ | スタート | スタートスイッチ。こちらをクリックすると検証チャートが立ち上がります。 |
設定完了後はスタートをクリックするとチャートが表示されます。そしてチャートが動き出しますので一時停止を押して、一旦動きを止めます。
動きを止めた状態で普段使用しているチャート設定(テクニカル指標などの設定)を行い、いつも見ているチャートの状態に設定します。
設定が完了しましたら、⑧の【 >> 】をクリックしてチャートが動かします。
実践例
*『ライン力』の向上の為の過去検証の場合
以前のブログで紹介しました、レジスタンスライン、サポートライン、トレンドラインなどのラインをうまくひくスキルを磨く為の過去検証のやり方をご紹介します。
まず最初に、1時間足や4時間足、日足など検証したい時間軸を選択しチャートにレジスタンス、サポートのラインを引きます。
ラインを引いた後、【 >> 】をクリックしてチャートを進めます。
その後、このような値動きになりました。
黄色の印あたり、一旦抜けてからひいたサポートラインで反発しました。ぴったりラインで反発するわけでは無いことなどがこの検証によって分かります。
さらにその後、
値動きは上に推移していき黄色印でレジスタンスとして機能していたラインを抜けた後、今度は下値を支えるサポートラインに変化していきました。
これをレジサポ転換(反対ならサポレジ転換)といい、こういったラインは強く意識されているラインになります。
このようにラインの過去検証では、そのひいたラインで値動きが上げ止まったり、下げどまったり、大きく反転したりしているのかを確認していきます。
適切なポイントにラインがひけていれば、引いたライン付近で反発したり、レジサポ転換が起こったりなど、なんらかの値動きが確認できます。
反対に何も起こらずそのまま抜けていった場合には、レジサポラインの位置が適切ではなかったという事がわかりますので、何故そのポイントに自分はラインをひいたのか、どうして自分がひいたポイントではなく、今このポイントで反発したのか?など原因を考えると同時に、改善ポイントをどんどん出していきます。
このように検証していくことで、強く意識されるラインを見つけ出せるようになり、『ライン力』が向上していきます。
最後に
今回はストラテジーテスタ機能の紹介と、この機能を使った検証の実践例として『ライン力』の向上の為の過去検証というのを抜粋してご紹介しました。
ストラテジーテスタは簡単に使える機能の為、すべての種目の過去検証を完全にこなせるといったわけではありませんが、まったく同じ要領でテクニカルインジケーターを試す過去検証や、『相場分析力』を磨く為のパターンや癖をつかむ過去検証も、このストラテジーテスタを使って検証することができます。
まずは一番簡単にできるこのストラテジーテスタ機能を使い、休みや空いた時間を利用して、何度も過去検証を繰り返し、この基本的な部分の理解をどんどん深めていきましょう。