FX初心者の方も、すでに実践されている方も必ず眼にするFXに関する専門用語。
FXに限らずどの分野においてもそれぞれの専門用語や専門知識が必ず存在する。
ある程度、専門用語なんかも理解していないと教材や書籍、経済ニュースなど見ても一体何の事を書いているやらチンプンカンプンになる。
しかし、覚える為の勉強って一体どこまですればいいのか…「用語を覚えたくらいでFXで儲けれるのか?」と言われれば、もちろん答えは「No」だ。
しかし、ここで紹介されている用語が分からなかったら儲かるものも儲からない。
それはFXは情報を集めその情報を分析して取引することによって儲かることができる。
そこで集めた情報を読んで「何書いてあるかさっぱり分からない…」ということになれば当然正しい分析なんてできないのである。
そんなことにならないように、最低限知っておくべき用語と、トレードやトレーニングしながら無理なく頭に入れていくための簡単な習得術などを紹介していきたいと思う。
1.FX用語はどれくらい覚える必要があるか
どれくらい必要かというと、最初は必要最低限の基礎用語だけで構わない。
特にこれから始められる初心者の方にとっては知らなくて当然で、現役で日夜トレードしている経験者であっても、専門用語をどれ位知っているかというと自分がトレードするのに支障をきたさない程度だったりする。
わかりやすく例えると、まずサッカーをこれからやり始めようとする。
あなたはやり始める前に全てのルールなどを書籍、教材、動画なんかで覚えてからやりはじめるか?
そんな事をしていたら実践をやり始める頃には老人になっているかもしれない。
もうプレーできません(笑。
あなたが知るべき最初のルールは
・サッカーボールを使ってのスポーツであること
・手は使ってはいけない
・足で蹴って相手のゴールに入れて得点になる
で構わない。
まずこの程度の知識でとりあえずサッカー自体にに触れてみて、実践しながら、疑問が浮かび上がった時『こういう場合は反則でペナルティなんだ!』そんな場合はフリーキックというチャンスが与えられるなど、必要になった時にそれを調べ、サッカーの知識と技術を積み上げていく。
これはサッカーというスポーツだが、FXの専門用語などの習得方法もこれとなんら変わりは無い。
FXではまず
・FXは外貨に対して投資をするもの
・買って上昇、売って下降すると利益になる
・投資判断にはチャートを使う
程度の知識だけでよい。
その後、ルールを深く知る上でその都度出てくる専門用語を、インターネットで検索して調べるなり、書籍などで調べれば問題はない。
2.FX用語の効率的な習得方法
人間の脳は、必要と感じた時にワードや知識を入れてはじめてストックされる。
必要ないなと感じたら情報は脳のどこかには残っているんだろうが、そこへ繋がる回路を切ってしまうそうだ。
タンスの肥やしのように、引き出しに閉まったまま忘れてしまう。
なので先程のサッカーと同じように、トレードやデモトレーニングを実践しながらわからない用語や必要だなと感じた知識を順を追って取り入れていった方が、効率的に専門用語を覚えることができる。
デモトレードをしながらまずはチャートってなんの事?と思えば、検索すれば為替相場の値動きを画面上にグラフで表しているものと出てくる。
じゃあそのチャート上で上昇トレンドって何?と思えば、相場の値動きを表しているグラフが、上向きの一定の方向へ動きだすことと調べられる。
こんな感じに疑問に思って調べて、初めて『なるほど』と頭に入り知識として残っていく。
なので実際にやるべきことは、専門用語を覚えることではなく、トレードやトレーニング重ねていく事である。
その結果として用語や知識を積み上げる事にも繋がる。
勉強と実践は表裏一体と言う事である。(まさに一石二鳥!)
3.最低限知って置きたいレベル別FX用語50選
これだけはFXをしていると必ず出てくる用語を、出てくる頻度や世間で知られている認知度に合わせて独断と偏見でランク付けしてみた。
英語で例えるならアルファベットの読み方を紹介しているようなものである。
Level.1外貨投資 基本用語集
FXをしたことがない人でも聞いたことがある用語13選
これからあなたがやろうとしている投資。せめて自分がやっている運用取引の名前は覚えときましょう。外国為替証拠金取引(Foreign Exchange)の略で外貨投資の一種。元手となるお金を証拠金としてFX業者や証券会社に預けることで元手の数倍から数百倍の金額の取引ができるもの。元手と実際に取引できる金額の比率の事をレバレッジといい、これが外国為替証拠金取引の最大の特徴。他にも、外貨交換時の手数料が安い事や、24時間取引可能な事などが特徴の取引である。
外国為替証拠金取引(FX)で元手となるお金を証拠金としてFX業者や証券会社に預けることで元手の数倍から数百倍の金額の取引ができるシステムのことを言う。レバレッジとは「てこ」のようなもので、少ない資本金でも大きな取引ができるようになる。
日本円の価値が高い状態の事。例えば1ドル=100円から1ドル=95円となったら円高という。この状態のときは、同じ金額の円でも多くの外貨を買うことができる。「100円から95円になったから安くなったのでは?」と思われるかもしれないが1ドルを95円で買えるようになったということは『円の価値が上がった』と解釈するため、円高という。
日本円の価値が低い状態の事。例えば1ドル=100円の時から1ドル=105円と変動したら、円安になったという。この状態のときは同じ金額の外貨でも多くの円と交換する事ができる。円高と同様に100円で買えたものが105円を出さないと1ドルに換金できなくなるので『円の価値が下がった』と解釈するため、円安という。
為替レートの変動によって生じる利益と損益の事で、為替差益と為替差損をあわせて為替差損益という。 例えば、1ドル1100円で買って、1ドル105円に変動した時に売ったらその差額5円が為替差益になる。 反対に1ドル100円で買ったものを、1ドル95円に変動した時に売ったらその差額5円が為替差損になる。
外国間で取引をする時に基本となる通貨の事。詳しく言えば各通貨の価値基準となる通貨で、国際貿易に広く使用される決済通貨であり、各国の通貨当局が対外準備資産として蓄えておく通貨の事。 基軸通貨であるための条件として「通貨価値が安定していること」「輸出入に関して制限がないこと」「金融市場や資本市場が発達している事」等があげられる。 現在は、経済力も大きく価値も安定しているアメリカドルが基軸通貨になっているが、第二次世界大戦前はイギリスポンドも基軸通貨として扱われていた。
多くの人が頻繁に外国為替市場で売買している通貨の事。現在ではアメリカドル・ユーロ・イギリスポンド・スイスフラン・日本円・オーストラリアドル・カナダドル等がある。
外貨と円を交換する時に生じる諸費用で、外貨を円にかえる時、円を外貨にかえる時は、仲値に決まった手数料を足した金額が実際の取引金額になる。仲値というのは金融機関が決めた取引レートの事で日によって変動する。
市場の事。マーケットのには外国為替を取り扱う外国為替市場や有価証券を取り扱う証券市場などがある。各マーケットに営業時間があるが外国為替取引では諸外国のマーケットを使うことができるため24時間いつでもマーケットが開いている状態になる。故、FXでは24時間取引を行う事が出来る。
アメリカの通貨、ドルの事。通貨経済力も大きく価値も安定しているのでアメリカドルが世界の基軸通貨となっている。
日本の通貨、円の事。普段使用している日本円は、JPYと表記されている。
EU加盟国の半分が使用していてヨーロッパで使われている統一通貨。アメリカドルの次に多く取引がされている通貨のため、次の基軸通貨になるということで注目されている。ただ、統一通貨であるため、国によって経済格差があるとユーロ安を引き起こしてしまう原因になってしまう。
イギリスポンドの事で、スターリング・STG・ケーブル等という事もある。イギリスポンドも高金利のため外貨預金時に増える量が多いというのが魅力だが、相場の変動も激しいので長期運用には向いていないと言われている。
Leve2.FX取引時の基礎用語
実際に取引する時に必要な用語基礎13選
アスクレートの事でFXで外貨を買うときに提示される金額の事。アスクは実際の取引金額に手数料を含んだもののため、FX業者によって金額が異なる。
ビッドレートの事でFXで外貨を売るときに提示される金額の事。アスクと同様、FX業者によって金額が異なる。
スワップ金利ともいい、交換した通貨のお互いの金利差を解消するための補助金のようなもの。例えば、ドル円を「買った」場合ドルの金利をもらい、円の金利を支払った差額がもらえる。この差額がプラスならスワップ金利がもらえ、反対にマイナスなら支払わないといけないため、スワップ狙いの際は通貨ペア選びを間違えないようにしたい。
FXにおいて、通貨ペアのレート買値と売値の差のことをいう。これはコストの一つになるためFXをする上では、このスプレッドにも注意することが必要である。差が広ければ広いほどコストは高くなる。
ドルを含まない為替取引の事で、アメリカドルを含まない通貨ペアのレートの事はクロスレートといい、ユーロと日本円、豪ドルと日本円など、アメリカドルを使わない通貨ペア全てをいう。というのも、アメリカドルは基軸通貨として世界の通貨の基本となるものなので、かならずアメリカドルを経由する考えがある。例えば、円でユーロを買う時、一度日本円をアメリカドルに換金して、その換金したアメリカドルでユーロを買うという流れが基本となっている。
ポジションを持つために注文を出すことを言う。エントリーした注文が成立することを「約定」といい、約定されてからポジションを持つことになる。また、持っているポジションを手放すことを「決済」といい、決済したと同時に利益(もしくは損失)が確定される。
売買や取引が決定することを指す。成行注文の場合は、現在のレートで注文をするので約定が早いが、指値注文・逆指値注文の場合は、指定したレートにならないと約定しない。
売り注文を出している状態の事をさし、ショートともいう。自分の持っていた通貨を売ることや、空売りをしている状態を指す。空売りというのはこれから下がりそうだと思ったらその通貨を持っているものとして売り、その通貨が下がった時に買って返す事でその差額を得ることができる。
これから買う、という注文の事で、ロングともいう。
今手元にある未決済の取引が現在の価値で換算すると利益がでている状態の事。あくまでも「未決済の取引」を現在価値で換算したものなので、それがそのまま利益になるものではない。相場の動きによっては増えることもあれば減ることもあるので、予想したレートに到達したらさっさと利食いをしよう。
今手元にある未決済の取引が現在の価値で換算すると損失がでている状態の事。含み益同様に、あくまでも「未決済の取引」を現在価値で換算したものなので、決済しなければ、損失にはならない。ただし、含み損が証拠金の一定以上の割合になると、マージンコールが発生し、さらにそれ以上の含み損が増えると強制決済になるので、損切りする時はお早めに。
自分が行っている取引で利益が出た時に、早めに決済をして確実に利益を得ること。利益が出ている時は決済しない限り利益は発生しないので、自分が狙っていた利益が取れたらさっさと利食いすることをお勧めする。
自分が行っている取引で損失が出た時に、これ以上ひどくならないうちに許容できるタイミングで損を承知で決済すること。ロスカット出来ない人はいつまで経ってもFXでは稼げない。
Leve3.FXチャートの基礎用語
FX戦略や分析時に必要となる用語11選
過去から現在の通貨の値動きを価格や時間を軸に画面にグラフ化したもの。FX取引において売買のタイミングや判断に使うものである。
値動きをロウソクの形を使って表したもの。ローソク足の形から、始値と終値、高値、安値を知ることができる。1日の値動きを1本のロウソク足で表す日足や
一時間単位で表す一時間足、分単位で表す分足などがある。
通貨の値動きがジグザグしながらもある一定の上や下方向へ動きだす相場状況のことを言う。上向きの場合は上昇トレンド、下向きの場合は下降トレンドという。
ある一定の価格の間を上下にいったりきたりして推移していく相場状況の事。方向感がない相場という事もできる。
チャート上でロウソク足が上昇する時に、何度も上昇が止められている価格帯に引くことができる水平線の事をいう。
チャート上でロウソク足が下降する時に安値で止まっているところに引くことができる水平線の事をいう。
チャート上で上昇していた相場が下落し始めるポイントの事で、売りのタイミングになる。また買いのポジションを持っている場合は、天井になる手前で早めに売ってしまい利益確定させる事も大事な事となる。
チャート上で下落していた相場が上昇し始めるポイントの事で、買いのタイミングにもなる。売りポジションを持っている場合は、底になる手前で早めに買ってしまい、利益確定させる事も大事な事となる。
値動きの大きさの事を言う。「ボラティリティが高い通貨」といえば値動きの変動の激しく、低いといえば変動があまり無い通貨を指す。FXは値動きがあるから得失がでるわけで、ボラティリティが高い通貨のほうがその得失が激しくなる。
上昇している最中、一時的に下降したときに買って値が戻ったら売ること(決済すること)を押し目買いとい、押し目を拾うとも言う。押し目が起きる理由としては、値下がる前に売ろうという行動(利食い)が起きるためである。
下降している最中、一時的に上昇したときに売って値が戻ったら買うこと(決済すること)を戻り売りという。相場が下降していく中にも所々上昇している箇所があるので上昇し終わったところを狙って売る方法となる。
Leve4.リスク管理の基礎用語
リスク管理を勉強すると必ず出てくる用語9選
今自分が行っている取引の時価総額や取引の結果を合計して、FX口座に入っている総額を算出し、その総額を取引証拠金で割った物。これは一定の率を維持する必要があり、この割合が一定値以下になるとマージンコールや、さらには強制決済される。
FXである程度の損失(含み損)が出て業者から連絡がくること。マージンコールが発生する割合は、各FX業者によって異なる。対応策としてはあきらめて決済するか証拠金を追加して含み損の割合を減らすことかどちらかだが、マージンコールが発生する前に損切りをしよう。
FXである程度の損失(含み損)が出て業者から強制でFXを中止させられること。こうなってしまっては手の打ちようがないので、あきらめて次のチャンスを待とう。
FXである程度の損失が出て、証拠金の追加をする事。追証の必要がでてくると業者から連絡がきます(マージンコール)が、そういった連絡が来た時点でさっさと損切りすることをお勧めする。
逆指値注文の事で「今もっている通貨がこの値段まで逆行したら決済する」という注文方法で、損きりの手段になり、ストップオーダーとも言われる。 エントリーする際には必ずストップロスを設定する癖をつけることが大切である。
取引の決済前に、現在の状態で損失が出ていて取引保証金に割り込んでいる状態の事。ある程度の損失が出ると業者から連絡がくる(マージンコール)。さらにマージンコールを無視し続けているとFX業者が強制決済される。しっかりと資金管理をして資金ショートにならないようにしよう。
今自分が持っているポジションを決済する事で、仕切りともいう。長期で旅行に出かけるなど、しばらく取引をしている時間がない場合などはポジションを手じまおう。旅行中に暴騰・暴落が発生しいつの間にか大損をしてしまう可能性もあるため。
ポジションがない状態の事や、買いポジションと売りポジションの釣り合いが取れている状態の事。ポジションがないからと言って無理に持つ必要はない。時間をかけてゆっくりと次のチャンスに備えよう。
ポジションを長く持ち続けて最終的に利益が出なかった場合等、損切りすることができずに含み損のままポジションを持ち続けている状態の事を指す。誰にも言えずにひっそりと漬けていることがありますが、どれだけ漬けてもおいしくないのでさっさと捨てましょう。
Leve5.金融業界の基礎用語
FXで使われる世界経済や金融関連の用語5選
「Federal Open Market Committee」の略で連邦公開市場委員会の事。FRB(Federal Reserve Board=連邦準備制度理事会)が年に数回開く会合で、公定歩合・FFレートの決定など、公開市場操作政策の決定が行なわれる。通常は1通貨につき1つの団体が中央銀行として存在しているが、アメリカの中央銀行は1つの団体で存在するのではなく「連邦公開市場委員会(FOMC)・連邦準備制度理事会(FRB:Federal Reserve Board)、連邦準備銀行(FRB:Federal Reserve Bank)」で組織されている「連邦準備制度」がその役割をしている。
各国の経済状況を判断する指標の事。日銀短観、国内総生産(GDP)、雇用統計、経常収支どがあげられる。特にアメリカの経済指標はアメリカドルに大きな影響を与えるため、世界中から注目されている。
投資家から資金を集めて運用する投資団体の中で、少数の投資家から大量の資金を預かるものの事。中には非常に悪質なヘッジファンドもいるので自分のお金を預ける際には十分業者を調べてから預けたい。
ダウ・ジョーンズ工業株価平均の事で、ニューヨーク株価平均とも言われ、ダウ・NYダウなどと略される。日本で言う「日経平均株価」のようなものである。
その通貨を取り扱っている国の政治や経済、社会情勢の変化で損失を受けてしまうかもしれないリスクのこと。テロや紛争、自然災害等の発生で持っている通貨の価値が暴落してしまったり、それ自体は影響は少なくても、その事件が引き金となっていっせいに為替相場が変動することもある。
まとめ
専門用語は上げればキリがないので、最低限知っておかないといけない用語の基準として上記50選をあげた。
このあたりを覚えてトレードやトレーニングをしていき、新たな言葉や、その疑問点が出てきた時にその都度、調べ理解していってもらいたい。
それが知識や用語を覚える近道であり同時にトレードの上達への最短の術になる。
今回の用語解説に使用した参考サイト:金融経済用語集(マネー用語辞典)