FXでトレードをする時に『トレード根拠』として使う様々な要素の中のひとつにレジスタンスラインやサポートラインというものがある。
あなたはちゃんとこのラインをひけているだろうか?
- 自分が引くと簡単にブレイクされてしまう
- 自分の引いたラインがあっているのか不安
- ほかの人がどこに引いているのか気になる
という悩みは多くの人が体験している。
今回は、あなたの引いたレジサポが何故効かないのか?
何故引いたラインに不安を感じるのか?
このあたりの理由を探ることによって改めてレジスタンスやサポートといったラインを考えていこうと思う。
1.レジスタンス、サポートラインは値動きの転換点に引くライン
FXの値動きというのは上がったり下がったり、チャートを見ていると、ジクザクを描きながら動いていく。
この値動きを分かりやすくするために、ロウソク足だけのチャートにジグザグというテクニカルを表示させてみる。
- 上がっていたものがあるポイントを境に下がる。
- 下がっていたものがあるポイントを境に上がる。
- 値動きがあるポイントを境に横ばいモジモジする。
このように値動きが反対方向へ折れ曲がったり、動きが止まりモジモジするポイントで引いたラインのことをレジスタンスライン・サポートラインという。
言い換えてみれば、値動きの転換点となるラインのことである。
上記のチャートにラインを引いてみるとこのように引くことができる。
レジスタンスライン:現値より上の高値のポイントを結んでいったライン
サポートライン:現値より下の安値ポイントを結んでいったトライン
このように節目となるラインをチャートに引いて、トレード根拠を導き出したり、エントリーポイントを探っていく。
よってこのラインをでたらめに引いてしまうと、効いているラインが引けない・引いたラインを簡単にロウソク足が抜けていくという症状が起きるのだ。
2.引いたレジサポラインが効かない原因
2-1.短期足でラインを引いていていないか?
まずレジスタンスライン、サポートライン共にラインとしての強さでいうと週足、日足、1時間足など時間軸が長期になるほど、長期足で引いたレジスタンスライン、サポートラインは強く世界中に意識されている。
まずはこのあたりの意識を頭に置く。
大きな流れの中での転換点を把握せずに、短期足チャートでのラインばかりを気にしていると大きな流れに巻きこまれ、結果引いたラインが意味を全くなさないという事態を引き起こす。
2-2.現値に近い部分を意識していないOR以前引いたラインをそのまま使っている
数日前に引いたラインがそのまま残っている。
現値に近い部分の接点を意識し、ラインを引き直したチャート。
現値に近い部分を意識して引き直す方がいい理由は、多くのトレーダーが直近を意識しているからである。
というのも、トレードをしているのは短期でトレードしている人もいれば、数ヶ月前からポジションを保有している人もいたり、昨日からポジションを保有して寝ている人もいる(笑。
それにリアルタイムに入ってきた世界の情勢や、ニュース、思惑が絡んで今まさにポジションを保有した人もいるのだ。
それが集約されて現在に至っていて、さらにそれらを加味し、今から未来に向かってトレードする為にラインをひくのだから必然的に現値部分を意識するトレーダーが増えるのである。
2-3.ロウソク足の実体で引くかヒゲで引くかの判断が曖昧になっている
一般的には、ローソク足の実体で引く方がいい
レジスタンスライン、サポートライン共に一般的には、ローソク足の実体で引くとされている。
プロの世界では、4割がヒゲで引き6割が実体で引いているという統計があり、大多数の意見に従う方がFXにおいては有利になる事が多い。
またこのような見方もできると思う。
実体
※実体は黄色の箇所の部分をいい、終値や始値に合わせて引くラインを実体で引くという。
よって実体と言うのはその時間軸の中で始値と終値を表している。ローソク足の実体(始値から終値の間)の中ではポジションを保有している人がヒゲの部分よりも多いという事を表している。
ヒゲ
※ヒゲは黄色の箇所の部分をいい、高値や安値に合わせて引くラインをヒゲで引くという。
ヒゲという部分はその価格まで値は動いているが、保有しているポジションを決済している方が多く、ポジションがなくなり実体として残らずに細いヒゲになる。ということは、一時的には節目を超えても、超えた地点で多数の人が決済をし反発してヒゲができるので裏を返すと実体の部分を意識しているという意味になる
以上の事からセオリーとして『ローソク足の実体で引く』というのが世間で広く浸透している。
たた、ヒゲで引いたラインが間違っているかと言われるとそうでもない。
実際にはこのヒゲの部分まで価格が動いている訳なので、ヒゲに対して無視を決め込むというのも疑問が残る。
事実、実体で引くよりも、ヒゲで引いたラインの方が効いているケースも多々あるのだ。
これがヒゲ?実体?と迷うひとつの要因になったりする。
ヒゲも実体も考慮したうえで、接点の多い価格にラインを引くことがBEST
ヒゲ?実体?
このあたりを解決していくには大きな流れ、過去、現在、未来、総合のバランス感覚が非常に大切になってくる。
なので、実体で引くというのが基本の大前提であるが、それにヒゲも考慮しながらより多くの接点を意識し引いていく事で、より効いているラインが引けるようになる。
直近の実体だけで引いたサポートライン
実体・ヒゲを含めた複数の接点で引いたサポートライン
2つのチャートを比較してもらうと分かるように、セオリー通り直近の実体で引くと接点が二つくらいだが、後者の画像では、過去の接点を考えてラインをひくことによって接点が10か所程になる。
このようにセオリーは、より現値に引く、実体で引くとあるが、それよりも複数の接点を優先することがコツになる。
2-4.レジスタンス、サポートの転換を意識していない
引いたレジスタンスライン、サポートラインは、永遠に使える訳ではない。
その時、その時の経済情報、指標の発表などにより、ラインを抜けて値が動いていく。
ただ、この抜けてしまったライン、もう何も意味がなくなるのか?というと実はそうではない。
レジスタンスとして効いていたラインを上に抜けたとする。
値動きはジグザグに動いていくので、下降しながらまた新たなレジスタンスラインを生み、そして再び下に下がった時にサポートラインができる。
このサポートラインができるポイントが、以前レジスタンスラインとして機能していたラインになる事が多々ある。
こちらのチャートをご覧いただきたい。
上記の画像のように、
レジスタンスラインだったものが
↓
レジスタンスラインを上に抜けてサポートラインに
↓
サポートラインを下に抜けて再びレジスタンスラインに
↓
レジスタンスラインを上に抜けて再びサポートラインに
この一つのラインでレジスタンスとサポ-とが逆転する事をレジサポ転換/サポレジ転換と呼ぶ。
結局意識されているラインというのは逆転しても意識されやすいという事だ。
このレジサポ転換やサポレジ転換が何度も起こっているラインというのは、それだけ強くサポートラインやレジスタンスラインの中でも更に重要なラインだと容易に想像がつくだろう。
このあたりを見誤る事なく見つけ出しラインを引いていくと、大多数が意識するポイント(効いているライン)と寸分違わずキレイにラインが引けるようになる。
2-5.トレードをしたいためだけの理由でラインを引いている
今までラインをひきだすと、チャートがやたらめったらラインだらけになり、後でなんのラインかわからなくなった(笑。
という経験はないだろうか?
初心者の間は、チャートを見た時にトレードのチャンスがないと思うと、トレードの根拠を作るためにラインを書いてしまう事がある。
しかしその引いたラインというのは、自分がトレードをしたいという感情で引いただけの自分都合のラインでしかない。
そんなラインを引いたとしても、そのラインがブレイクされる(効かない)のは一目瞭然。
だって、だれもそんなところ意識していないのだからw
ラインだらけになってしまったら、一歩下がるイメージで客観的になってチャートを見てほしい。
今回お伝えした内容を意識するだけで、不要なライン(ただトレードをしたい、すぐに約定させたい、利益確定などの結果を得たいためだけの都合の良いライン)はことごとく消去される。
2-6.ラインがブレイクするときの最大の特徴
ちゃんとラインが引けていても、抜ける(ブレイクする)ときがある。
その時の多くの原因は、経済指標や要人発言でブレイクすることが多い。
その要素がないときにレジスタンスラインやサポートラインで反発しないということは、そもそもラインの引き方が間違っているという可能性が高い。
もう一度、上記のポイントを踏まえてラインを考察してみて欲しい。
必ずぴたりとハマるラインが浮かびあがって来る。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、レジスタンスライン・サポートラインが効いていない、簡単にブレイクされる原因をまとめた。
以上の事から、ラインを引くときのコツはこちらである。
1.レジスタンスライン・サポートラインは長期足で引く
2.過去よりも直近に合わせてラインを引く
3.実体かヒゲで迷ったときは、接点が多い方を採用する
4.レジサポ転換をしている価格にラインを引く
5.指標発表・要人発言・カントリーリスクの時はブレイクする可能性が高くなる
上記のポイントを意識することで、引いた欄が簡単にブレイクされるという事が減るはずだ。
効いているラインを引くことができるようになれば、逆張りではエントリーの目安になるため、勝率の高い取引ができるようになるし、順張りで大きく利を伸ばすときの目安にもなる。
ただ、このラインをひくのも1にも2にも、実践、練習あるのみ(笑。
何度も引いて検証を繰り返し、経験を積む事によりより精度の高いラインがひけるようになる。
過去、現在、未来を総合して捉えていき、引いたラインへの不安を解消していって欲しい。