私たちは風邪やインフルエンザにかかったり、またはどこか怪我をしたり、体の痛みが数日経っても取れない時は病院に行きます。お医者さんから治療法を教えてもらい、体を健康な状態に戻そうとします。
病院に行くほどでなくても、転んで切り傷がつけば消毒をして絆創膏をはり手当てをします。「絆創膏を貼っておけば傷が治っていく。」これは子どもでも知っていることです。
他にも、歯を健康に保ちたければ歯を磨く、風邪の予防には手洗いうがいをする。このように私たちは小さいころから身体の健康管理が大切だと教えられ、健康管理をする事は当たり前になっています。
では、心の健康管理はどうされていますか?
心に傷を負った場合、どうやって治しますか?
時間に身を委ねるというのも一つの方法かもしれませんが研究結果によると、
たった2分間、あることをするだけで、効果が生まれるとの研究データーがあります。
心は体よりも頻繁に傷つけられている
外傷は誰が見ても分かりますが、心に負った傷は目では見えません。
実際に心は体よりも頻繁に傷つけられています。
例えば、何かに失敗してしまった時、好きな人や大切な人に拒絶されたとき、誰にも必要とされていないと感じてしまった時、誰も自分の事を理解してくれないと感じてしまった時、傷の深さは様々ですが心に傷が付きます。
無力感・挫折感・孤独感を感じたときです。
そしてこの傷ついた心にさらに追い打ちをかけて、無意識的に自分自身を傷つけてしまっているらしいのです。
何か言われて傷ついた後、失敗した後に、自分の欠点を考え始めてしまうことがありませんか?
- この失敗は自分のせいだ…
- あの時ああすればよかった…
- これまでの自分の罰があたったんだ…
こうやって自分の欠点を考えてしまうことは、無力感や孤独感を加速させることに繋がり、心の傷をさらに悪化させることに繋がります。
そしてその後も、映像が浮かぶ度に自分の心を傷つけていく。
もし外傷だったらその傷をさらに悪化させようとはしないのに、心の傷に関しては、その傷をもっと深くしてしまっているらしいのです。
別のいい方をすると、ネガティブに、負のスパイラルにハマってしまっているという状態です。
心の傷が深くなると病気に繋がる
このように、心に負った傷を自らさらに傷つけてしまう癖を人は持っていると言ってました。
心の傷を手当せずに放置し、傷を重ねてしまうと、人と関わるのが怖くなったり、病気にかかりやすくなったり、鬱病、さらには早期死亡の可能性も高めてしまうことに繋がっていきます。
ちなみに少し前にWHOから発表されたデーターを見ますと、全世界のうつ病患者は推計3億2200万人(日本の人口1億2千万人よりも多い)とWHOから発表されています。これは世界の全人口の4%にあたり、WHOはうつ病が世界的に一般的な精神疾患になりつつあるとのことです。
地域別には、アジア・太平洋地域で全体のおよそ48%を占めているそうです。
ちなみに日本の厚生労働省によると、1996年には国内で国内で43万3千人だったうつ病など気分障害の患者数は、2008年に104万1千人に増加。そして今では506万人を超えているとのことです。
心の傷を放置しない!自分でできる心の傷の癒し方
うつ病の方が圧倒的に増えているというデーターをご紹介しましたが、生きていればいろんな失敗やトラブルを経験します。一生の中で切り傷ひとつ付けずに生きるのは難しいのと同じように、心に一度も傷をつけずに一生を終えることは難しいです。
でも、そのあと、自分自身で追い打ちをかけることをやめて、心を癒してあげればいいのです。
それには、
たった2分間だけ気を紛らわすこと
(ただ一つのことに没頭すること)を行う
たったこれだけで効果が生まれるとの研究データーがあるそうです。
たった2分間ですが、何かに没頭することで、その瞬間、不安や動揺、孤独感からはシャットダウンされます。こうやって断ち切ることによって、私たちの心は傷の上にさらに傷をつけられることがなくなります。
何か失敗をしてしまったとき、その時の映像が繰り返し出てきてしまったときは、ぜひ何か別のことに集中するように心がけてみてください。
「何か好きなことを2分間する」ではありません。
何かをしながら、頭では失敗のことを考えてしまっては無意味だからです。
2分間、一点集中することが大切です。
2分間、何をしたらいいのか。
それを行っている時は何もかも忘れて没頭できる事です。
私の場合ですと、例えば、
- ジグソーパズル
- パソコンゲーム(フリーセルやマインスイーパ)
- 数独
- タイピング
- 折り紙
- 塗り絵
などが私の場合です。
お酒を飲んで気がまぎれることはあるのですが、でもそれは一点集中ではなく、頭の中では考えてしまっていたので、お酒は当てはまりませんでした。
他の参考例として、ダーツ、編み物、絵を描く、習字、瞑想する、そろばん、などが当てはまるかもしれません。
ポイントは、1点集中です。
一点集中することで、負のスパイラルが断ち切られて、心を傷つけ続ける癖をシャットダウンさせることになります。
そして一点集中すると心の傷が癒され、私は幸せだと思える幸福感が出てくるらしいです。
心の健康にも目を向ける
今回ご紹介した心の健康管理の方法は、心理学者の先生が紹介されていた方法です。
その先生は、多くの人は身体の健康ばかりで、心の健康をおろそかにしている人がほとんどだとおっしゃっていました。でもその理由は、心の健康管理を伝える人が少ないからでしょう。
身体の健康ばかりに重点が置かれていますが、心の傷が悪化すると、人との関わり怖くなったり、仕事が憂鬱で体調を壊してしまったり、ゆくゆくは身体の健康にも影響を及ぼしてしまう可能性もあります。
心の傷は放置せず、自分でできる癒し方で健康に保ってあげてください。