1.なぜエントリーをすると相場が逆行するのか
FX取引で頭をかかえる一つに、エントリーポイントやエントリーのタイミングがある。
あなたはもこんな場面を体験したことがあるだろう。
『よし!今だ!ポチっ…アレっえ~~また逆方向にいっちゃった~』
まさにFXアルアルネタ。
トレードをすると相場が逆へ向かう『魔の相場逆行』(笑。
いっそのこと思ったエントリーポイントを逆にトレードしてしまえば良んじゃないかなんて自暴自棄になる場面、トレードをしていると幾度となく経験されるかと思う。
これって気まぐれな相場の神様が貴方にイタズラしている訳ではありません。
答えはシンプル
単にエントリーポイント・エントリーのタイミングがズレているだけ。
『それがわかんないから逆行するんじゃないか~っ』と私に逆行ではなく逆ギレはご勘弁願う(笑。
冗談はさておき、今回はこの『魔の相場逆行』に巻き込まれないエントリーポイント、タイミングなどについてという角度から最終的には適切なエントリーポイント、タイミングを導き出す過程を考えていこうと思う。
2.適切なエントリーポイントを導き出す『根拠』を探す
ポジションを持つ為にまず考えなきゃいけないのはトレードする理由、ポジションをそこに置く理由。
すなわち『トレードの根拠』だ。
勘やあてすっぽうでFX投資は継続して勝つことはできない、まずこの根拠を幾つか探し出してトレードしていく。
このトレード根拠を探すというのは利益を得るための戦略のひとつだが、反対に損失を出す可能性のある芽を可能な限り摘み取っていく作業とお考え頂くと解りやすいと思う。
明確なトレード根拠を作りリスクを摘み取る事により、自ずと最適なエントリーポイントやタイミングが導き出されていくのだ。
では、その手順を説明していこう。
2-1.大型指標発表の時間帯や経済ニュースなどのチェック
まずは基本中の基本、相場が大きく動いたり、相場の流れが変わったりするのはこの各国の指標発表などに影響される事が多い。
大型の経済指標が発表される時間帯にポジションを持っていると、相場が突然逆に動いたり、大きく動いてロスカットなどに巻き込まれたりなどこっぴどい目に会う可能性が高くなる。
トレード前には1日の中で重要度の高い指標発表時間帯を把握し、取引している通貨に関係のある国で何か起こっていないか?通貨に影響はないか?を確認し、リスクを避ける為この時間帯前後30分程はトレードを避ける、前回の変動幅などをみて十分注意、意識するなどの対策を練ろう。
2-2.長期足での相場の流れのチェック
扱う通貨の日足などで大きな流れを把握し、本日は上向き方向なのか、横ばいなのかなどを確認する。
大きな流れに逆行しない取引を心がけることで、リスクを減らすことが可能となる。
2-3.取り引きに使う時間軸での流れのチェック
日足などの長期足や大きな流れは上向き方向でも、使う時間軸(短い足)では下降トレンドが発生していたりする。
取引に使う足が、どのような動きをしているのかの把握も行なう。
では実際のやり方について、今回はドル円の5分足でトレードすると仮定して話を進めていく。
3.適切なエントリーポイントを導き出すトレード実践例
ステップ1:大型指標発表の時間帯や経済ニュースなどのチェック
経済指標カレンダー
21:30にカナダの重要な指標が発表される
⇒21:30前後はカナダドルは大きく動く可能性があり
23:00にユーロの重要な指標が発表される
⇒23:00前後はユーロが大きく動く可能性があり
⇒取引するドル円は指標の影響は少なさそうだ!
おすすめ経済指標カレンダー:FXCMみんなの外為
ステップ2:長期足での相場の流れのチェック
ドル円日足チャート
ドル円1時間足チャート
1時間足や日足を見ると、下方向継続中。
大きな流れは下方向ですから全体的に下降の圧力が強いと考えられる。
※今回は5分足での取引を例にしているので、長期足を1時間足と日足としている。もし1時間足での取引をするのであれば、長期足には日足や週足などを使う。
このように長期足の流れを確認しておくことで、例えば五分足のチャートを見て上昇トレンドが発生していたとしても大きな流れを考えると一時的な上昇と仮定ができる。
このポイントだけでも5分足チャートで
上昇トレンドだ!それっドンドン買ってしまえ!『買いポジション、ポチっ』
という安易な順張り買いという考えがひとつ消去される。
トレード根拠と同時にリスクがひとつ減るのである。
ステップ3:取り引きに使う時間軸での流れのチェック
ドル円5分足チャート
取引に使う5分足の流れは下向き
この5分足で取引をする場合、
下降トレンドがどこまで継続しそうなのか?
どこまで下がる可能性があるのか?
これらを考えることで、エントリーポイントやタイミングが見えてくる。
ステップ4:節目を見つける
節目とは全世界のトレーダーが注目、意識する【上がるとすればまずこのあたり】【下がるとすればまずこのあたり】と目安にする価格の事をいう。
これらの価格で引いたラインを
レジスタンスライン:高値を直線で繋いだライン
サポートサイン:安値を直線で繋いだライン
と呼ぶ。
先ほどの長期足のチャートにこの節目のラインを引いてみるとこうなる。
ドル円日足チャート
※オレンジ入りで引かれた水平線が節目と呼ばれる価格になります。
ドル円1時間足チャート
※黄色で引いた水平線が節目の価格になります。
※節目ラインの引き方
コツ1:ロウソク足が何本も同じ位置で上げとまったり、下げとまったりしているポイントを繋ぐことである。接点がより多いほどその節目のラインが意識される。
コツ2:ヒゲではなくロウソク足の実体でラインを繋げる。ビゲで引りする方も中にはいるが基本は現値に近い部分のロウソク足の実体で最高値、最安値を直線のラインで結ぶといい。
ステップ5:長期足で引いた節目のラインを取引する足(5分足)に反映させる
このように取引するチャートにラインを引いておくと、今現在、発生している下降トレンドで、どのあたりを全世界のトレーダーが注目し意識しているのかがある程度予測が可能になる。
実際に、引いた節目ライン辺りでロウソク足が跳ね返り反発している様子がうかがえる。
そして最後に、これまでの情報(トレード根拠)からエントリーポイントを探る。
ステップ6:エントリーポイント考察
エントリーポイント1:相場の方向性は下向きで、1時間足のレジスタンスラインまで到達し反発したら売る
エントリーポイント2:相場の方向性は下向きで、2つのサポートラインを下に抜ければ、さらに下がる可能性があるので下に抜けたら売る
エントリーポイント3:サポートラインを下抜ける事が出来なかった場合、一時的に反発する可能性がある。強弱を見極めてからそのラインの反発を利用し買う
などの戦略を立てる事ができ、『下降トレンドだ、それ売っちゃえ』なんて取引とは雲泥の差の明確なトレード根拠が浮かび上がると同時に、損失をこうむるリスクの芽を摘み取っていく。
その後の値動き
1時間足と日足の節目を下に抜けて、その後下落
最終的にその後、上記のような値動きをした。
このように、大きな時間軸の流れを意識し、節目を使うことで、最適なエントリーポイントやタイミングを導き出すことが可能となる。
まとめ
今までトレードすると相場が逆へむかっていたのなら、「経済指標の発表」「長期足の流れ」「相場の節目」を意識していなかったことが原因の可能性は高い。
例えば、下降トレンド開始直後に闇雲に『まだ下がりそう、よし売りだ!』と取引したポイントが、意識する節目付近だったとすると当然そのラインで下げとまったり跳ね返り逆行するという事態が考えられる。
取引する上では、一連のチェックがトレードするポイントやタイミングに繋がってくる。
チェック1:大型指標発表の時間帯や経済ニュースなどのチェック
チェック2:長期足での相場の流れのチェック
チェック3:多くのトレーダーが意識する節目のチェック
この様に大きくと分けて3つの行程を踏んでトレードするだけでもかなり魔の逆行を回避できると同時に、損失をこうむるリスクも軽減することができ、間違ったエントリーポイントやタイミングでの取り引きの回避に繋がる。