FXに携わっていると為替相場を見る為にチャートを起動し、相場睨めっこがはじまります。
普段当たり前すぎて気にも止めませんが、もしこのチャートがラインチャートやバーチャートだけだったら?
中にはラインチャートを使っている方もいるかとは思いますが、このブログを読んで頂いている方の大半は基本的にチャートにローソク足を表示させていると思います。
この当たり前すぎてあまり意識しないローソク足ですが、ある日突然、ローソク足がなくなり、折れ線グラフでFXをやりなさいと言われたらどうしますか?
慣れていない上に、ローソク足から読み取っていた情報が皆無に、、
やりにくいことこの上ないと思います。
この当たり前すぎて普段あまり意識しないローソク足ですが、なくなると非常に困ります。
何故困るのか?
ローソク足から普段なんの情報を得ているのか?
今回はそんなローソク足を改めて考えていきたいと思います。
ローソク足の成り立ち
まずはこちらを読んでみてください。
ローソク足チャート(ローソクあしチャート)は、株価などの相場の値動きを時系列に沿って図表として表す手法の一つ。ローソクチャートともいう。
単位期間を定め、単位期間中に初めに付いた値段を始値、最後に付いた値段を終値、最も高い値段を高値、最も安い値段を安値とし、この四種の値段(四本値)をローソクと呼ばれる一本の棒状の図形に作図し、時系列に沿って並べて株価の変動をグラフとして表したものである。
ローソクには、始値よりも終値が高い陽線(ようせん)と、始値よりも終値が安い陰線(いんせん)の2種類がある。古くは陽線が赤、陰線が黒で書き表されていた事、値段が上ると明るい印象があり、下がると暗い印象がある事、相場の動きを陰陽道に絡めて考えた事などから陽線・陰線の名が付いている。相場に関する印刷物が刊行されるようになった際、コストの高いカラー印刷を嫌って陽線を白抜きの四角形、陰線を黒く塗り潰した四角形で表示する様に変化し、現在の紙媒体ではおおむね黒と白で表示する。
~wiki参照~
ウィキると、こんな感じに説明されていますが、陰陽道などにも通じていて、東洋チックな感じがしますが、実はこのローソク足の開発者はなんと日本人でしかも江戸時代に米相場で使われていました。
この開発者である本間宗久氏、ローソク足を使ったチャートパターンなども開発していまして、その名を酒田五法といい、以前このブログでも紹介しました。
今では世界中のヘッジファンドや個人投資家の間でもローソク足チャートを中心軸において広く取引されています。これを知っただけでもなんだか同じ日本人として誇らしく思いますね(^^)
そんな江戸時代から使われているローソク足、改めて深く探っていきましょう!
何故ローソク足がスタンダードなのか?4つの理由
理由1:始値(はじめね)、終値(おわりね)、最高値、最安値を簡単に視認できる
wikiにも書いてありますが、ローソク足は、上記の4点を時間軸毎に簡単に視認できるように作られています。
例えば5分足なら、5分で1本のローソク足が形成されます。
新たにローソク足が形成され始めたポイントが始値で、チャートを見ていると簡単に目でわかります。
そのローソク足一本の中の最高値、最安値は、ローソク足の実体からでている通称”ヒゲ”という部分で表されます。
ローソク足1本を見るだけで簡単にこの4点が目でわかります。
例えばコレが下の図はラインチャートになりますと、価格の推移というのは見てとれますが、5分や1時間といった時間毎の始値、終値、最高値、最安値といったものはパッと見て分かりません。
ラインチャート
バーチャートのほうでも拡大すると矢印のあたりの横線で始値、終値など辛うじてわかりますが、パッとみてわかりにくいですね
バーチャート
まず、ローソク足は、上記4点を目でみてパッとわかるように作られています。
理由2:陰線、陽線から売買注文のバランスを簡単に視認できる
ローソク足は始値より終値が高ければ陽線として表され、始値より終値が安ければ陰線として表されます。
この陰線、陽線の色分けにより、ローソク足1本で時間毎の売買注文のバランスが目でパッと見てわかります。
ローソク足の時間軸が大きくなる程(長期足)、この売買注文のバランスが目で分かるというのは、エントリー時に大変役立ちます。
理由3:ローソク足の実体から変動幅を知る
ローソク足から、時間軸毎の相場の変動幅も簡単に知ることができます。
基本的にはローソク足の実体の上部分とした部分の差を計算します。
例えば下の画像は、1時間足での陰線ですが
- 実体の上の部分112.598
- 実体の下の部分112.417
- 差が0.181
pipsで考えると約18pips、1時間で変動しているというのがわかります。
この変動幅を知ることにより、よく動いている(活発に取引されている)かいないかが一目瞭然です。
ラインチャートではこの時間毎の変動幅というのが特にラインチャートだと非常に目でわかりにくいです。
ラインチャート
バーチャートでも同じです。
バーチャート
このようにローソク足はパッとみて変動幅もすぐに目で見てわかるように作られています。
理由4:ローソク足を結び方向性を簡単に視認できる
ローソク足を使った応用になりますが、ローソク足を時間軸毎に最高値を結ぶと、多くの人が意識する今現在の最高値のポイントがわかります。これをレジスタンスライン、江戸時代では天井と呼ばれていました。
最安値を結ぶと、皆が意識する今現在の最安値のポイントが分かります。これをサポートライン、または底と呼びます。
最後にローソク足全体を見て、右肩上がりなら、過去のローソク足の安値から現在にむけて結ぶトレンドライン
右肩下がりなら、過去のローソク足の高値から現在に向けて結ぶトレンドラインというものから方向性も簡単に視認できるようになります。
これらのレジスタンス・サポートライン、トレンドラインは、その他のチャートではとても引きにくく、辛うじてトレンドラインはひけても、ローソク足の様にどちらの売買注文が活発かを知る事はできません。
そのためエントリーを考える場合、なにか補助的なツールがいくつか必要になってきます。
ラインチャート
このようにローソク足は、ローソク足だけで
最高値、最安値、始値、終値、変動幅、方向性など『他のテクニカル指標なんていらないんじゃないか?』と思ってしまうくらい情報が詰まっている事がわけです。
実際ヘッジファンドなどプロトレーダーの方々は、ローソク足だけでトレードしている方が多いのも事実です。
最後に
今回はローソク足を改めて紹介しましたが、いくつか理由を挙げてまとめてみると、何故ローソク足が広くチャートのスタンダードとして使われているのかが分かってきます。
その最たる理由は、あらゆる情報を目でパッと見て簡単にわかるように作られているからです。
この点が最大の特徴だと思います。
ボリンジャーバンドやMAなどのテクニカル指標は、PCだからこそチャートに表すのが可能な情報です。自動で計算しながらリアルタイムに曲線を描いていくんですから、江戸時代に到底できる代物ではありません。
そんな今と比べ物にならないくらい不便な時代に、なんとか簡単に図で表せて、色んな情報をいち早く合理的に、目でパッと見てわかるように工夫しながら生み出されたこのローソク足です。
そして時代を経て21世紀になっても、変わらず、相場の世界のスタンダードになっています。
生みの親、本間氏に感謝しながらも、改めてローソク足って奥が深いなと感じますね。